物に本末あり、事に終始あり
何を大切にすれば良いかを知っていれば道からはずれる事はないといいます。私たちにとって大切な事は、まず自分自身が成長する事。そして家族を大切にする事。その土台があって社会に貢献できる良い仕事ができるのではないでしょうか。
喜び創造企業
私たちは本物のお菓子と共に信用と感動を売っています。そうして喜びを創造するのが当社最大の目的です。喜びを創造できる人とは、生きている喜びを感じ、謙虚にして感謝の気持ちを持つ人です。
人は母のお腹から生まれて死ぬまでに、多くの困難に遭遇します。私たちは、自分に与えられた時間を精いっぱい生きる事で、親やご先祖様へ感謝の気持ちを表す事ができます。人は一人では生きていません。周囲の人に助けられて、謙虚な姿勢で対峙した時、感動の心が芽生え、生きている喜びを感じます。そして出会う「ひと」、携わる「こと」、使用する「もの」に感謝の気持ちを持つ事ができるようになります。
花の咲かない冬の日は 下へ下へと根を伸ばせ
どんなにがんばっても結果が出ない時がある。誰にだって苦しくて身動きが取れなくなる時はある。じたばたしても落ち込んでも何も始まらない。そんな時は、じっと足を踏みしめて、やがて必ず来る春の日に向けて準備をしよう。悩み、苦しんだ成果はやがて小さなつぼみになる。下へ伸ばした根が長く、そして広がっているほど、決してぶれない軸となる。
「たすきをつなぐ」
創業者 青木タカからつないできた「たすき」たすきをかける人間が変わっても、青木光悦堂のたすきは変わらない、その「たすき」は、青木光悦堂という会社の誠実なあり方そのものだから
仕事を通してから自らを磨く
世の中に幾千万もある会社の中から、青木光悦堂に入社されたご縁です。出会えて良かったと心から思える会社でありたいと思います。多くの大人は自分のできない事、自分に備わっていない事、知らない事ばかりに夢中になって一生を終えてしまいます。
ここでは「本物」をお菓子という商品を通して、喜びを創造します。お客様の喜びは必ず働くみなさんの喜びにつながります。「お客様をどう喜ばしたろう」と、まずは信じてやってみてほしいと思います。お互いが、人様へ幸せを与え続ける人財に育っている事に気づくはずです。
入社は自信をもってから
インターンとして当社に来られる学生さんがいらっしゃいます。目的は、仕事の経験をしてもらって、自信を持っていただきたいという事です。自分に自信を持てばどこでもやっていけます。仕事への感応が良くて自分の使命や役割に気づく方もいると思います。そんな中からご縁があって当社に来てくれる方がいれば、それはそれで良いと思います。
商品開発の目的
商品開発の目的は二つ。一つは社員みんなのチャレンジのため。やった事のない世界、知らない世界へ踏み出す事は、かけがえのない経験になって、成長してますます仕事が楽しくなるよね。もう一つはもっと単純。社会の喜びを創造するため。例えば2021年に、一つ目の目的でできたお菓子がハムスターモナカ。SNSなんかで好評を得たのはご存じのとおり。
二つ目でできた商品は京都光華女子大学さんと共同開発した「健康リッチおやつ」シリーズ。人それぞれの口腔事情(咀嚼力)に合わせて楽しめる多くのお菓子が完成した。お年寄りの幸せな人生をお菓子で実現する事ができた。京都光華女子大学さんからは「これまで誰も入ってくれなかった研究。学校としてもこんな研究をしたかった。」と目的が一致した。これはまだまだ進化させられると思う。
あわてんでもええ
誠実という本物の百年以上の重いたすきを渡される時、変えていかなければ生き残れない事と、決して変えてはならない事にとまどう時がある。そんな時、歴代の言葉が頭に響く。「あわてんでもええ」歴史の重みも、長いお客様との関係も、今はじまった事ではない。130年つながってきた時間のほんの一辺。「今」の役割を背負っている私たちがじたばたしても始まらない。あわてず誠実に歩きながら、この言葉を思い出そう。
自分の輝ける場所は必ずあるから大丈夫
色々な仕事を任されると、なんでも肯定できるようになると思います。一つの部署に居続けて、その仕事を極める良さももちろんあります。けれどそれが「こうでなければならない」という固定観念が染みついてしまうときがあります。色々な価値観を知る事で、柔軟に違う視点から見ることができます。たとえ今いる環境でうまくいかなくても、他の価値観や選択肢を知っている事で、自分の輝ける場所が必ずあると実感できるようになります。
木の葉の一滴が大河となり満ちる
誰も見てくれていないような仕事があります。孤独に感じるような仕事があります。猛暑の夏、逃げ場のない中での倉庫作業。寒風吹きすさぶ冬の日に歩く営業。自分にしかわからない焦りの汗をかく時もあるでしょう。ただ忘れないでください。人が気づかぬ陰で働いていても、その事実は決して消えません。一人ひとりがにじませた、ほんの一滴が、喜びの大河に必ずつながっています。
特命の委員会
当社にはいくつかの委員会があります。朝礼委員会、木鶏会委員会、全社会議運営委員会などそれぞれ特命を帯びています。例えば環境整備委員会は、時間・モノ・職場空間やPC環境に至るまで様々な業務改善を行い、皆さんが最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整える委員会です。いずれも会議時間は就業時間と扱っています。ムダを省く、良い社風をつくる、良い組織をつくる。どの委員会も大切な目的を与えられています。これを見失って会議をすれば、逆に作用してしまいます。だから就業時間にして楽しみながらも真剣に向き合ってほしいと思います。
家庭の時間
自宅で仕事はしないでほしい。自宅では自宅の役割があるはず。夫として妻として、娘として、父として。大切な家庭を守れるようにするのが会社。そんな家庭があるから仕事をがんばれる。だからPTAでも通学路の旗振りでもやってあげてほしい。運動会にも行ってあげてほしい。運動会に親が来てくれたらお子さんは喜ぶよ。一生懸命がんばる姿を家族に見て欲しいのに、振り向いたら親がいなかったって、そんなんやめてほしい。自宅で自分だけの時間なんていらない。ましてや仕事なんてしないでほしいと思います。
社長の手紙
毎月お手紙を給与明細に同封しています。皆さんががんばった結果の給与明細と一緒に、会社が好調な時、不調な時、現況を文章でお伝えしたいと考えています。成功事例はもちろん、失敗談を書く時もあると思います。ご家族へ宛てたメッセージは、会社で何が起きているのか、皆さんが会社でどうがんばってくれているのかを伝えるためです。会社と皆さんとご家族をつなぐ架け橋になれたらと願います。
繁忙期だろうと人生の大切なイベントを優先してほしい
繁忙期に有給休暇を申請される時があります。そんな時は「その時期でないとダメなの?」と聞きます。それを踏まえてご本人が取りたいという有給休暇は止めません。繁忙期だからって有給休暇を禁止してたら休暇を取れんでしょ。繁忙期だろうと人生の大事なイベントはぜひ優先してほしいと思います。
仕事が属人化していないか
休みを取れないという悲鳴がきこえる時「仕事が属人化していないか」と問います。属人化すること自体は問題ありません。ただ、仕事の内容を他の人にオープンにしていない、オープンにできていないのはNGです。
当社は5日連続の休暇取得を推進しています。誰が休んでも構わない仕組みの足掛かりは、持っている仕事を他の人にも見えるようにする事です。
辞める間際は出勤していてほしい
辞める間際に残った有給休暇を消化したいという人が多くなっていると聞きます。会社が憎くて気持ちが離れてしまっているなら仕方ありません。でも、まだ一緒に働いてくれた時の気持ちが少しでも残っているのなら、最期までできるだけ出勤してほしいと打診します。昔は有給休暇を取らせないようにするために買い上げていたとも聞きます。休みよりもおカネの方が嬉しい人もいるかもしれません。でも有給休暇は取ってほしいと思います。休みを取らないと外の世界との接点がなくなってしまいます。「何もすることがない」なんて言わないで有効に休みを利用してほしいと思います。
利他の足跡
人間は社会を作って生きています。会社も社会の一員です。会社の前の掃除はもちろん、町内会やなんか社会活動をしてほしいと思います。弊社の2代目社長の久三郎氏は商売も半分を奥さんに任せてPTAや町内のことなんかの社会活動をしていたそうです。3代目社長の久太郎氏は、そんな父の姿を見て「母に苦労させないで商売をやってくれよ」と思っていました。そんな自身も退任された後は、周囲から「久太郎さんには仕事以外でもお世話になった」「家の相談に乗ってもらって助かった」「車を買う時に力になってくれた」と言われます。賛辞を受けていた事は、本人は決して言葉にはしませんが、世話好きで他人のためをいつも考えていたその足跡を見つめてみれば、「本物を売る」ことがどういう事か見えてくると思います。
子育ては一瞬
子どもの体調が良くなくて休まなければならない時がある。そんな時、気持ちをわかってくれる、子育てを終えた人たちが支えてくれた。いずれ子どもが大きくなったら、そんな理由で休むことなんかなくなるから。子育ては一瞬。子育てが終わったら、また若い子育て中の仲間を助けてあげたらいい。
一緒に育てよう
誰かのお子さんが会社に来るときがある。「家の鍵を忘れたからお母ちゃん呼んで」倉庫は大騒ぎになる。「誰かお子さんが呼んでるで」「誰の子や」「どのお母さんや」笑いながら仕事に戻る。そんな風にお子さんが気軽に会社に来たらいい。お母ちゃんの職場を見に来たらいい。みんなで育てる気持ちでいられたらいい。
親は必ず年老う
私たちを育んでくれた大切な人たちも、いつかは老いて威厳を納める時がくる。傷つけあった苦い想い出があってもいつかは感謝で塗り替えられる時がくる。それまでに私たちは大切な人たちをいたわる強さと優しさを持ち合わせていたい。
ここで共に成長して、社会の役に立っていますと胸を張って言えるように、たくさんの喜びを創造していきましょう。
客様の笑顔
商品も時代の流れで変わっていく。無添加の菓子もおいしくなった。天然の着色料も多い。一方で添加物を含む菓子の需要も根強い。時代時代で何が求められているのかは変わる。ただ、お客様の笑顔だけは変えてはいけないもの。
本物を売れ 1
三代目がよく言っていた言葉。「本物」というのは商品だけのことじゃない。そこに向かう姿勢、態度もすべて含めたもの。成し得た仕事に決して100点はつけない、より最善を尽くす事を考える。これが本物。カシデリが事業化されるまでの過程で、高齢者施設の方々は、一人では食べきれないだろう量を買ってくれた。「友達にもあげたいねん」とか「次に来てくれるまで時間があるやろ」と言い訳をして。商品をモノとして買ってくださっているのではないと気づいた。私たちの本物、真心を買ってくださっているんだ。これは変えてはいけないもの。
自分自身を承認する事で自分の強さも弱さも認める事で強くなれる
当社は長く、朝礼委員会と木鶏会委員会がある。会社の活性化という目的もあるが、自分自身を知って成長する場である事を知っていてほしい。自分のできない事を知った時に本当に強くなれるのだと思う。仕事でどうしてもできない壁にぶつかった時は、誰かを頼ると良い。折れそうになっても曲がったとしても、しなやかにして折れなければ良い。
「若い時はとんがったらいい」
出る杭は打たれるって言うけれど、どんどん出過ぎたらいい。大人になるにつれて叩かれて、だんだん丸くなるけれど、
とんがった分だけ大きな丸になる。人間の器が大きくなる。会社のためになる、社会のためになると思うなら、自分の信念で思うようにどんどんとんがったらいい。そして興味ある事に物怖じせずに飛び込んでほしいと思う。
継続していく事はチカラになり、信頼になる自身も成長して、
周囲を勇気づけてくれるウチはこういう会社でありたい
みんなで志を立てて進捗を確認する時、簡単に「あれは止めました」という人がいる。それを聞いて安心して「うちもやめました」とつながる。これらは「止めましたグループ」。止めるという事は何も得られなかったという事。どうせ止めるなら、何かを掴んでみようよ。「なかなかうまくいかないけど頑張っています」「苦しいけど続けてみます」という人。こんな人と仕事がしたい。
わからない事は放置しない
人間は何のために生まれてきたの?と問われれば、幸せになるためでしょうと応えます。幸せになるためには人間性を向上させなければならないと思います。できない事、知らない事をそのままにしておくと、ヒトはそのまま、知らない人生を送ります。つまり一生わからないまま終わる。自転車は一度乗れるようになると、体が覚えて、どんなに久しぶりでも乗れるようになります。わからない事に出会うのは一瞬、それを身に着けてしまえば一生です。人間は幸せになる権利がある。同時に、幸せにならなければならない義務があると思います。